色を封じると、
組版が主語になる

黒・白・灰の三値だけで見開きを組む。読み順を作るのは色ではなく、書体のウェイトと余白である。三値で足りるなら、四値目は足さない。

特集 — 誌面設計の基礎 / 第 3 回

色を三値に絞ると、まず失われるのは強調の手段である。太字も大きさも使えるが、色で目を引く手が消える。その制約が、かえって読み順の設計を強いる。

見出しに明朝、本文にゴシックを当てると、字面の密度差だけで階層が立つ。同じ大きさのまま、読み手は見出しを見出しとして受け取る。

行送りは一・七。誌面であれば一・八まで伸ばしてよい。伸ばすほど頁は静かになるが、伸ばしすぎると段が崩れて読み落としが増える。

灰は一値だけ。二値目を足した瞬間、三値の配色は「妥協した配色」に見えはじめる。足すのではなく、余白で差をつける。

強調が要る箇所では、まず大きさを疑う。大きさで足りるなら太さは温存しておく。太さは最後の一手として残す。

写真を入れない誌面では、余白そのものが図版として働く。天地の空きは飾りではなく、次の頁へ進む速度を決めている。

結局のところ、色を封じた誌面で読み手が受け取るのは、書き手が何を先に読ませたかったかという判断だけである。

Monochrome Editorial28